生命保険金や相続があると年金が停まる?

障害基礎年金は本人に収入があると支給停止になると聞きました。親が亡くなった場合の生命保険の死亡保険金や、相続で財産を受け取った場合なども年金が止まってしまうのでしょうか?

A・一時的な所得は原則支給停止の対象外です

20歳前傷病による障害基礎年金は、本人が保険料を支払わずに受け取れる年金、いわゆる無拠出年金であるため、他の年金とは違う受給制限の要件があります。

その一つが所得制限による支給停止で、年間の所得が360.4万円で半額、462.1万円で全額が支給停止となります。

この場合の所得とは、収入とは違います。かなり複雑なので詳細は省きますが、非課税所得以外の所得(主に給与所得)から障害者控除などの控除を除いた金額が、支給停止の対象です。

対象にならない非課税所得とは、所得税及び住民税がかからない所得です。例えば親が亡くなり遺産を相続した場合は、相続税の対象になりますが所得税はかかりません。二重に課税されないような仕組みになっています。

親の生命保険で子どもが死亡保険金を受け取る場合、ほとんどは契約者(保険料を払う人)と被保険者(保険の対象になる人)は親、受取人(保険金を受け取る人)は子どもだと思います。この例であれば、保険金は相続税の対象です。

保険金でも所得税の対象になることがあり、契約者と受取人が同じで被保険者が違う場合がこれにあたります。 ただし、親を被保険者として子ども自身が保険料を支払い、受取人になる、ということは考えずらいですよね。

ですので、障害基礎年金の支給停止については、相続や保険は心配しなくても大丈夫です。

もし給与所得や不動産所得などがあり、それが停止額を超えた場合は対象になりますが、あくまで1年単位で所得が減ればまた復活しますし、そもそもそれだけ所得があるのであれば年金の一時停止のことはあまり気にしなくてもいいのではと思います。