「親なきあと」問題の歴史④~地域生活移行へ

さてそんな環境の中で、最初に述べました1981年の国際障害者年を迎えました。これをきっかけにして入所施設にとりあえず入れるしかないという状況から、地域で生活するために在宅福祉をどう整備すべきか、という考え方が登場してきました。
本人の希望を聞きながら地域への移行が進められることにはなったのですが、在宅福祉とは結局のところ親が家庭内に子どもを抱え込むことになってしまったことは否定できないと思います。そうであれば、親なきあとは相変わらず施設を頼らざるを得ない、という状況は続いていたのですが、1989年には厚生省により「精神薄弱者地域生活援助事業(グループホーム)の実施について」が通知され、ここで知的障害者の地域生活の主役としてグループホームが登場することになります。