「親なきあと」問題の歴史⑨~障害者プランの登場

障害者プランとは、障害者が地域で生活するために、1996年から2002年の7カ年の間に、障害者向けの社会資源の整備目標を具体的な数値を掲げて策定されたものです。
では、数値目標の達成状況はどうだったのでしょうか。
目標数値に対して、グループホーム・福祉ホーム、授産施設・福祉工場、精神障害者生活訓練施設などの社会資源整備はほぼ達成されましたが、重症心身障害児(者)等の通園事業、3障害の地域生活支援事業といった自立支援事業の整備率は未達成のまま期間が終了しました。
この後、これを引き継いだ新障害者基本計画と新障害者プランが登場し、その時点で設定された重点施策に対する数値目標が置かれ、継続的な対策が進められています。
旧障害者プランで数値目標が達成されたとされているグループホームの設置などの施策ですが、そもそもその設定自体が低すぎるし、それは新障害者プランの各目標値においても同様ではないかとの批判は根強くあります。今現在グループホームに入居を希望する人が実際にはなかなか入ることができない(特に都市部)という状況を見れば、その批判は当たっていると思います。
こういった現実に対する必要な批判、要求は当然していくべきだと思います。合わせて、過去と比較すれば、改善傾向にあることは間違いありませんので、今後の行政の動きにも期待しながら注目していきたいと考えます。