本人の年代別、親あるあいだの対策
②成人後・青年期のイベント

親離れ・子離れを意識しつつ、年金など定期的な収入の確保、福祉サービス、将来の住まいや暮らし方の検討など、本人の暮らしを形づくるプロセスを進める

特別支援学校等を卒業して、就労などの日中活動の場に移っていくと、学齢期の時期ほどいろいろな手続きに追われることはなくなりますが、本人の将来の生活を支えるためのお金の管理や福祉サービスの契約、さらには成年後見制度等の検討などが視野に入ってきます。
○障害基礎年金の申請
 まずは障害基礎年金の申請です。20歳になったらなるべく早く申請できるように、医師に診断書を依頼しておきましょう。
 年金以外にも、特別障害者手当、年金生活者支援給付金など、本人が受給できる可能性のある手当があります。こちらも忘れずに手続きをしましょう。
〇福祉サービス利用契約
成人後の障害福祉サービスを利用するために、計画相談事者との契約をしましょう。事業者と契約せず、親や本人が計画を作成することも可能ですが(セルフプラン)、将来のことを考えるとセルフプランはできれば避けたいところです。就労すると福祉サービスはあまり使わないということも考えられますが、地域とのつながりを作るためにも、ショートステイや移動支援を利用するなどの目的で契約しておきたいところです。
〇定期的な収入の確保
本人の給与や年金以外に、将来本人が高齢になってから、あるいは親が亡くなったあとに、定期的にお金を受け取れる仕組みを作っておくことも考えられます。
親などの保護者が障害者扶養共済や生命保険信託に加入することで、親が亡くなったあとに本人が年金の形でお金を受け取ることができます。これらは、加入者となる親の年齢が若いほうが、掛金などで有利になることが多いので、早めに検討することをお勧めします。また、障害者本人がiDeCoやつみたてNISAに加入することで、お金を増やし、本人の老後などにそのお金を受け取ることができます。
〇将来の住まいの準備
親と離れて暮らすための準備として、ショートステイなどで一人暮らしの練習をすることを考えておきましょう。もちろん本人の希望にもよりますが、必要であることをしっかり納得してもらい、取り組んでおきたいところです。
それと並行して、本人が将来どのような生活を望むのか、実現可能な選択肢はどれなのか、考えておきたいですね。グループホームや入所施設なのか、あるいは一人暮らしを選択するのか、その場合どういった支援が必要になるのか。これらの情報収集は、親や家族だけではなかなか難しいことがあるので、計画相談事業者等の支援機関に相談して、情報を得るようにしましょう。
〇成年後見制度の利用検討
 将来的には必要になる可能性があります。多くの自治体には「成年後見センター」といった名称の相談機関があるので、わからないことや不安なことがあれば、早めにアクセスしておきましょう。
○きょうだいとの情報共有
 将来は障害者本人のめんどうはきょうだいにみてほしい、あるいはきょうだいには迷惑をかけずに障害者の将来のことは決めておきたいなど、いろいろな考え方があると思います。
どちらも親の気持ちとしては理解できますが、きょうだいの気持ちはどうでしょう。めんどうをみてほしいと言われると、当然ながら大きな負担となりますし、「この子のことは私たちがちゃんと準備しておくから」と言われると、きょうだいからすれば「私も同じ家族として一緒に将来のことを考えたいのに」と思うかもしれません。
 重要なことは、「めんどうをみてほしい」「あなたは心配しないでいい」と一方的に言うのではなく、きょうだいに相談して、情報を共有することであり、きょうだい自身にもどうすればいいのか考えてもらうことだと思います。
〇ノートを活用した情報のまとめ
地域の育成会が作成しているノートや、「親心の記録®」を活用して、本人の情報や親の希望をまとめておきましょう。ノートに記しておくことで、支援する側が本人の特徴を理解しやすくなり、子ども自身の生活の安定にもつながります。